ExCAMP(エックスキャンプ)は、様々なスタイルにあったキャンプ場を写真から簡単に探せる検索予約サイトで、茨城県つくば市を拠点に関東圏を中心とした全国展開している予約サービスである。そのExCAMPを運営する北川拳汰さんにキャンプのこと、ビジネスのことを伺った。
前編:キャンプの魅力
〜インタビュー議事録〜
〜本日はExCAMPのこといっぱいお聞かせくださいませ!
北川拳汰(きたがわ けんた)と申します、よろしくお願いいたします。
自己紹介させていただきますと、生まれも育ちも苫小牧市で、大学進学で茨城県に住んでいました。その在学中に代表(「ExCAMP(エックスキャンプ)」を運営するforent株式会社(所在地:茨城県つくば市、代表取締役:塚﨑浩平))と出会い、ExCAMPチームに加わり現在に至ります。
仕事はフルリモートなので、地元であり実家のある苫小牧市に戻って、ExCAMP事業拡大として北海道エリア開拓の為、コワーキングスペースとまこまいベースを利用しています。
〜いわゆる学生起業ですか?
正確に申しますと、代表がExCAMP学生起業の準備中に、私がジョインして共同で開業した流れです。たしかに、在学中にExCAMPを運営していたので、二足のわらじという意味では学生起業になります。
〜北川さん自身はキャンプ好きですか? はい、もちろんです。学生時代からよくキャンプしています。社会人になってからは友人との生活サイクルが合わないながらもキャンプで久しぶりに再開なんてこともよくあり、私にとってはコミュニケーションツールの一つです。
〜キャンプのどこが魅力ですか?
自然の中で過ごす非日常的な時間を過ごすこと自体楽しいですし、友人とワイワイ過ごすだけでも楽しい、そして不自由さも楽しいです。正直なところ、自宅ベットの方が環境的には快適の様に思いますが、テントで寝る方がぐっすり寝れます。湯沸かしポットの方がはるかに効率的だけど、薪を焚べて沸かしたお湯で入れるコーヒーは格別です。冷蔵庫からすぐ取り出したキンキンに冷えたビールより、山奥で飲むぬるいビールの方が美味しいんです(笑)
不自由さはあるけど満足なんです。そして、日常生活で便利な環境で過ごせていること、普通に生きているだけでも大変多くの方々に支えられているのだということ、毎日の「当たり前」を幸せに感じる事ができます。QOLの再認識といったところでしょうか。
〜なるほど。帰宅後もキャンプQOLが続いているんですね。
そうなんです(笑)
〜ところでキャンプと言えばテントを連想しますが、他にも種類がありますか?
はい、多くの方はテントキャンプですが、様々な形態があります。
テント・キャンピング
カー・キャンピング
ツリーハウス
エアストリーム
キャビン
タイニー・ハウス
ユルト
RVキャンピング
バックカントリー・サイト
グランピング・テント 等
大きく分けると、都心型の手ぶらグランピングキャンプと、地方型のテント車中泊キャンプといったところです。一人なのか、家族なのか、山、海、バイク、釣り、サーフィン、カヤック、トレッキングなど、ご自身の環境とキャンプの目的に応じて、様々なキャンプスタイルがあり、施設提供側も多く存在しています。
いわゆる野営場と呼ばれる広大な公園でテントを張るキャンプが主流ではありますが、最近ではプライベートな山林私有地で1日1組限定の独り占めキャンプも存在していて、ExCAMPでは多く取り扱っているのが当方の特徴です。
〜それでは、ビジネス性についてお尋ねします。キャンプビジネスであれば、キャンプサイト運営やキャンプグッズ販売が主流かと思いますが、なぜマッチングサイトを選択したのでしょうか?
はい、おっしゃる様に他にもいろいろなビジネスモデルがあると思いますが、弊社では2つのミッションを掲げていて、その1つが「山林遊休地の利活用」です。これは日本国土の67%が森林であり、恵まれた環境ではあるが、利用されない土地が年々増加して、遊休地の有効活用は全国的な課題とされています。特に地方部は顕著です。
この改題解決策として我々はキャンプを選択しました。
①地方課題解決=遊休地の利活用
②キャンプ文化の普及
この2つが弊社のミッションであり、その解決方法としてマッチングサイト(キャンプ予約サイト)を運営しております。ビジネスの基本は、誰かの困り事を解決するものと信じてまして、私たちの得意なキャンプで解決しましょっ!って感じです。
〜記者考察〜
ExCAMPビジネスについて
昨今の流行り病や観光地の観光客過多などにより、個人旅行であるマイクリツーリズム型のキャンプ人気が高まっている。キャンプと言えば、キャンプをするために作られた公設・民間のキャンプ場の敷地に、テントの持ち込みや自動車を乗り入れて楽しむのが普通であろう。しかし、近年、インターネットを介して、「キャンプサイトとして貸したい」、「キャンプする場所を借りたい」のキャンプサイトのシェアが広まっている。キャンプ場ではなく、他人の所有する敷地 でキャンプするようなイメージである。提供者としてはキャンプのためのスペース貸しで収入 を得られる一方、利用者としては個人の私有地をキャンプサイトとして利用でき、キャンプ場とは一味違うキャンプ体験ができる。
米国でキャンプサイトのマッチングを行うプラットフォームとしては「Hipcamp」が有名である。民泊のプラットフォームとして Airbnb が有名であるように、同プラットフォームは「キャンプの Airbnb」として知られる。Hipcamp のウェブサイトでは、“land sharing”との表現が用 いられており、あくまでもキャンプのための「土地のシェア」を意味している。国立公園等のキャンプ場を探すこともでき、同ウェブサイトには“432,887 Campsites across the USA”(2020 年 12 月執筆時点)との記載がある通り多くのキャンプサイト数を誇る。カナダ、オーストラリ アといった米国以外への進出も果たしており、波に乗っているプラットフォームと言えよう。
日本でも類似のプラットフォームが存在する。筑波大学発のスタートアップ企業 forent 株式会社が運営する「ExCAMP」である。 ExCAMP は土地保有者とキャンパーをマッチングするものである。図表3の出所のタイトルでは自ら「キャンプ版 Airbnb」と称している。前述の通り、米 Hipcamp も「キャンプの Airbnb」 であることから、キャンプを軸に捉えれば ExCAMP は「Hipcamp の日本版」ということになる。
次回後編では、こうしたシェアリングエコノミー型とも言えるキャンプサイトのシェアについて取り上げることとする。乞うご期待!
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