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【北海道鵡川高等学校】 キャンプ x 学び フィールドワークで地域課題を知る「むかわ学」

2023年6月28日(水)北海道勇払郡むかわ町ある北海道鵡川高等学校一年生40名が、同町内穂別キャンプ場で、フィールドワークや巡検を通して、課題の発見方法や手法について学習する「むかわ学(がく)」が行われました。

火おこし体験むかわ学
火おこし体験むかわ学

清流、恐竜、交流のまち、むかわ町では平成29年度から北海道鵡川高等学校の魅力ある教育の一環として、郷土のことを学び、理解することを主な目的として「むかわ学」を実施しています。その後、町内の小中学校にも広め、令和2年度からは、町内すべての小中学校・高等学校で実践しています。むかわ町教育委員会は、この「むかわ学」を児童生徒だけでなく、町民の皆さんにも広め、郷土むかわ町を知り、理解し、愛着を持てるよう、教育委員会でも独自のコンテンツを作成し、提供しています。


【むかわ学とは】 むかわ町に係る課題を設定し、探究活動(課題研究)を通して持続可能な地域創生のための基礎的な知識や技能を身につけることをねらいとしている科目で、最終的には「町への提言」を行います。また、小・中・高と連携した取り組み「むかわ学」を通して系統的に探究学習を行います。 むかわ町教育委員会においても「むかわ学」を取り組んでいただいております。 *出典:むかわ学ー北海道鵡川高等学校HP

むかわ学の主たるミッションは地域課題を解決して地域創生を目的としており、その過程で3つのフェーズを設けています。

  1. むかわ学Ⅰ むかわと繋がる

  2. むかわ学Ⅱ むかわを深める

  3. むかわ学Ⅲ むかわを動かす

むかわ学Ⅰ

フィールドワークや巡検を通して、課題の発見方法や手法について学びます。


主な内容

  • むかわの歴史:講師の方の講和や、町内での巡検活動を通して、むかわの歴史を知ります。

  • むかわの自然:ネイチャー研究会や北海道開発局によるサポートを受けながら、むかわ町内にある人口干潟で水質検査や野鳥観察を行い、むかわの自然に触れます。

  • むかわの化石発掘:穂別博物館のサポートを受けながら、化石発掘のフィールドワークを行います。穂別キャンプ場にも行き、利用状況やニーズ等を知ります。

  • むかわの福祉:むかわ町の福祉の現場を見学して、地域の方から情報を集め、課題の発見を図ります。

  • むかわの農業・漁業・林業:むかわの第1次産業について、従事者から話を伺ったり、フィールドワークを通して体験します。

  • むかわの観光:むかわ町観光協会のサポートを受けながら、むかわの魅力や発信、また商品開発に向けての課題や方策について考えます。

  • 1年生まとめ:1年間の巡検やフィールドワークを通して、むかわについての課題等をまとめていきます。


 

むかわ学Ⅰむかわと繋がる(知る)
No Talk, All Action.

今回、鵡川高校生徒達がむかわ学を通じて穂別キャンプ場を訪れた目的は、先ずはむかわと繋がる(むかわ学Ⅰ)には知るということです。たぶん、土地の歴史を学習するだけであれば、郷土資料書籍だけで事足りるかもしれませんが、現地で当事者に話しを伺い、手足を動かし、現物体験するこそが「学び」であるという、徹底した現場主義が根幹にあるようです。

佐藤隊員の説明に真剣な眼差しの生徒達
佐藤隊員の説明に真剣な眼差しの生徒達

不便だから楽しいを知る:火起こし編

むかわ学の今日のミッションは、火起こしとテント組み立て。早速、火起こしに取り組む生徒たちは、むかわ町地域おこし協力隊員の佐藤さんの指導のもと「ここに乾燥した木の枝があります。これを工夫してライターだけで火を起こしましょう」とだけ課題を提示されて、生徒各班で火起こし体験が始まりました。


乾燥した木の枝が用意されてものの、湿度で木の枝が湿気っていて、簡単に火がつきません。カッターで枝を削る者、ノコギリで木を切る者、枯れ草を探しに行く者、枝を細かく折る者、創意工夫で火起こしに挑戦しました。


フェザースティックを作る生徒たち
フェザースティックを作る生徒たち


 

テントでくつろぐ生徒
テントでくつろぐ生徒

不便だから楽しいを知る:テント組み立て編

火起こしに続いて、次はチームで協力してテントの組み立て。むかわ町地域おこし協力隊員の高野さんの指導のもと「協力して、やってみよう」とだけ課題を提示されて、生徒各班でテント組み立て体験が始まりました。


骨組みパーツを組み立てる者、テントシートを協力して広げる者、説明書を読み上げる者、自然と役割分担されていきテントの組み立てを完成させた。


協力してテント組み立て
協力してテント組み立て


 
ただただ楽しむ:川遊び編

鵡川高校の生徒達は、団結力、行動力、解決能力が高く、今日のミッションを速やかに解決していき、最後は川遊びを体験。水飛沫が大きい方が勝ちという謎ルールが始まり、楽しみました。


川遊びに夢中
川遊びに夢中


360VR:川遊びする鵡川高校生たち


 
記者所感

キャンプの楽しさは多様であり、キャンパーそれぞれの価値観があるのではないでしょうか。その1つに「家族や友人との共同作業や交流を通じて一体感や絆」というものがあると思っています。例えば、自宅ではガスコンロで3秒あれば着火出来ますし、眠たくなったらベットで寝ればいい。しかし、キャンプ場では火を起こしてお湯が沸くまで30分かかり、明るいうちにテントを建てないと夜寝られません。日々暮らしている住居の安全性の素晴らしさを理解できますし、肉や野菜などの食材を冷蔵保存するときにも、食材が痛まないように保存できる冷蔵庫という文明の利器を痛感します。


普通に生きているだけでも大変多くの方に支えられているのだというのは、親や先生に言葉としては教わることですが、実感を持って理解する機会というのは意外と少なく、生の感覚として理解できないものです。そういった日々の当たり前に感謝し、有り難いことであると認識するのは、当たり前の毎日を幸せに感じるために大切なことだと思っています。日常ルーティーンから遠く離れて、キャンプという時間の使い方は、学ぶ手段として大変優れているように考えています。


総じて言えることは、キャンプは自然との調和や心地よさ、冒険と探索、リラックスとリフレッシュ、そして大切な人たちとのつながりを深める素晴らしい体験です。その魅力を言葉で表現することは難しいですが、キャンプを通じて得られる喜びや充実感は特別であり、多くの人々にとって宝物となることでしょう。

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